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「教育をアップデートしなければ!」Teacher2.0運営者インタビュー#001

更新日:2020年7月3日




教育オンラインサロン「Teacher2.0」の運営者の一人である脇田さん。大学を卒業後、公立の中学校に勤務され、英語教育、情報教育、キャリア教育、部活動に精力的に取り組まれてきた。その後私立の中高一貫校に転職し、BYODプロジェクトリーダーとしてICT活用教育に尽力。2020年から国際エデュテイメント協会のICT戦略推進担当として教育のアップデートに注力されている。今回はそんな脇田さんに「教育のアップデート」についてお話をうかがった。


教育公務員を退職した訳は・・・


ーー脇田さんの経歴について少し聞かせていただけますでしょうか。

はい。高校時代に1年間交換留学を経験して、大学は関西外国語大学に進学しました。大学では教職課程を履修しながら、大学の近くの小学校に英語活動のボランティアに行っていました。大学卒業後、大阪府の公立中学校に勤務しました。英語の授業はもちろん、担任としての業務、校務分掌の業務、野球部の顧問としての業務などに従事しました。ちょうど6年目、通常なら転勤の年に、隣の中学校と合併して、新しい学校が開校しました。その新しい学校で、主に学力向上担当者として教職員のベクトルを揃える取り組みを行いました。また、仕事と並行して大学院に通い、英語教育とキャリア教育について研究をしました。

12年間公立で勤務し、退職。私立の中高一貫校に転職しました。ここでは担任業務、英語教育そしてICT活用教育に力を注ぎました。特に転職したその年にBYODプロジェクトが発足し、そのリーダーに任命され、1人1台のICTデバイス導入のために尽力しました。その過程で、現在のエデュテイメント協会の方々と出会い、民間の力・テクノロジーの力で教育アップデートしたいと考え、エデュテイメント協会に転職しました。


ーー公立を退職されたのには勇気が必要だったと思うのですが、どうして退職を決意されたのですか。

公立学校は公教育のまさに中心・原点だと思っていますが、明治時代からアップデートされていないとよく言われています。例えば教室のレイアウト、黒板、授業スタイル、校則、先生のマインドなどです。今の時代はSociety5.0「超スマート社会」と言われているのに、これから先の未来を生きる子どもたちを育てる学校や先生がアップデートできていないということで危機感を抱いていました。

それを一言で「化石人間」と表現したらややバスったので、そのツイートを紹介しておきます。(笑) これが退職した理由の一つです。


ICTの真髄は何か・・・


ーー転職された私学の中高一貫校では最新の教育ができたのでしょうか。

私学に赴任した最初の年は、公立よりひどかったです。(笑) プロジェクタはないし、デジタル教科書もない、授業にしろ何にしろ教育観は古いままだと感じました。(笑) ただ、理事長が「来年からBYODをするぞ!」と号令をかけたとたん、翌年には全教室にプロジェクタが付いて、遮光カーテンが付いて、Wi-Fiが完備されて、アクティブラーニング用の教室が作られて、玄関にTEDトークができそうなくらいの舞台が作られて、先生全員にiPadが配布されて、新入生全員にタブレットを購入させて、という風に環境面が一気にアップデートされました。私学の底力を見たような気がします。


ーーアップデートされた学校での授業はどのように変化したのでしょうか。

1年間iPadを使った授業を行いましたが、あの鉄の板1枚でこんなに教育が変わるんだなと実感しました。英語の授業で結果として中学1年生での英検取得率が過去最高を記録しました。一番嬉しかったのは、英検3級以上の二次面接に臨んだ生徒16名全員が一発合格したということです。ICTで英語の音声を大量に聞き、発話練習を大量にしてきた、つまり、1人1台のiPadが英語の先生代わりになって英語学習を手伝ってくれた結果だと考えています。普段の授業も、遠足や文化祭などの行事も、部活動もiPadのおかげで充実したものになりました。iPad1つで生徒たちの学習、もっと言えば生活が豊かなものになりました。


キャリアとは何か・・・

ーー脇田さんの尽力でICT環境が整った中高一貫校を退職されて、民間に転職されたのはなぜでしょうか。

公立で勤務していた時からキャリア教育を研究していて、研究すればするほど、自分のキャリアについて考えるようになりました。つまり、キャリア教育の本質は「自分が生きたいように生きるための教育」なんですけど、自分は生きたいように生きているのかと。

今、自分がやりたいことは時代に応じた教育観を全国に広めること。全国的に教育をアップデートしていくには、目の前の生徒たちの教育ももちろん大切ですが、一つの学校にとどまるのではなく、学校外部から学校や先生方をサポートする立場になりたいと考えるようになりました。全国の子どもたちの幸せを願うという志は、全く変わっていません。


教育観をアップデートするオンラインサロン


ーーそれでTeacher2.0という先生向けのオンラインサロンを立ち上げられたということですね。

そうですね。全国の先生方にアプローチしていくにはオンラインが最適だと考えています。地域によっては、研修会場に足を運ぶだけでも大変な場所がありますし、面白そうなセミナーは結局都市部でしか開催されない。オンラインであれば、日本中、いや世界中どこからでも参加できます。実際、エデュテイメント協会が開催したオンラインセミナーにはインドネシアからも参加がありました。


ーー脇田さんは運営者として、Teacher2.0に参加する先生方へのメッセージはありますでしょうか。

Teacher2.0は、単にインプットをする場ではなく、テーマや課題に対して自分自身の考えをアウトプットするオンラインサロンです。学習科学では当たり前ですが、アウトプットすることで思考が整理されますし、インプットが強化されます。毎月の幅広い教育テーマについてインプットとアウトプットを繰り返すことで、結果的に自身の教育観がアップデートします。そして、その自己の成長を教育実践に繋げ、学校・教育をアップデートして、最終的にはみんなにとって幸せな世界を作りたい。そう願っています。


ーー脇田さん、ありがとうございました。



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